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日本人にとって身近な飲み物の一つが緑茶です。
緑茶というのは世の中に数ある飲み物の中で最も健康的な飲み物の一つであり、スーパーフードと呼ばれているほどに様々な有効成分が凝縮された優秀な飲み物です。
緑茶を飲むということは単なる水分補給をしているだけではなく、緑茶にたっぷりと含まれている多くの有効成分を体内に取り込んでいるいうことになります。
そこで、今回は緑茶がもたらすその効果とデメリットについてご紹介していきたいと思います。
緑茶の5つの健康効果
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緑茶には様々な健康効果がありますが、
ここでは厳選した5つの健康効果をご紹介します。
長生きできる可能性が大幅にアップ
緑茶を飲むことによって長生きできる可能性が大幅にアップするということが日本人を対象にした研究によってわかりました。
40歳から79歳の日本人の成人約4万人を対象にして11年間に渡って行われた長期的な調査があります。
この調査では緑茶を飲むことによって、すべての原因による死亡率がどうなるのか、あるいは、心臓病による死亡などの特定の原因による死亡率がどのように変わるのかと言う事を調べています。
1日5杯以上という最も多くの緑茶を飲んだ人は、調査期間中に死亡する可能性が大幅に低くなりました。
全ての原因による死亡率が女性では23%低下、男性では12%低くなりました。
しかし、1日5杯以上飲むのはつらいという方もいらっしゃると思いますが、安心してください。
たとえ1日1~2杯であったとしても、すべての原因による死亡率が低下すると言う事が分かっています。
具体的には1日1~2杯の場合、全ての原因による死亡率が2%低下、男性では7%低下。
1日3~4杯の場合、全ての原因による死亡率が18%低下、男性では5%低下という結果でした。
5杯以上飲む人と比べるとリスクの低下は少なくなりますが、少量でも緑茶を飲むことで死亡率が低下する効果がある事がが確認されました。
原因別の死亡リスクだと、緑茶を1日5杯以上飲む人の心臓病による死亡率は女性で31%、男性で22%低下し、脳卒中による死亡率は女性で42%、男性で35%低下しました。
昔から、緑茶をよく飲んでいる地域の人は健康的だという話を聞きますが、そのことが研究によって確かめられたことになります。
緑茶というとカフェインを気にされる方もいらっしゃると思いますが、緑茶のカフェインはコーヒーよりも少なく、緑茶100gあたりカフェインが20mgほどになりますので、健康的な人が摂取してもよい1日のカフェインの摂取量は約400mgなので、緑茶は1日10杯くらいまでなら飲んでも問題ありません。
圧倒的な若返り効果
緑茶を飲むことによって若返る事ができます。
その理由として緑茶には老化を防止し若返りを促進してくれる有効成分が含まれている事にあります。
もっとも有名なのはカテキンです。
緑茶のちょっと苦くて渋い味がカテキンですが、カテキンはポリフェノールの一種で様々な健康効果が報告されています。
中でもその圧倒的な抗酸化作用があります。
カテキンは天然の抗酸化物質であり、老化や病気の原因となる活性酸素を無毒化してくれる効果があります。
私たちの細胞や組織は活性酸素によりダメージを受けて、老化し病気になっていきます。
カテキンはこの活性酸素を無毒化してくれることによって、老化や病気を防いでくれます。
また、カテキンは脳を老化から守ってくれると言う事もわかっていますので、認知症のリスクを低下させてくれたりなど、脳にも良い影響を与えてくれます。
さらに、カテキンは老化の原因につながら活性酸素を効率的に除去してくれるので、美容にも効果を発揮します。
肌のシミやシワなどにも緑茶は効果的です。
30~60歳の健康的な日本人女性244人に対する調査によると、コーヒーと緑茶両方の摂取量が多いほど、紫外線シミスコアが有意に低かったという結果が出ています。
老化を引き起こす原因の一つである糖化を予防するのにも緑茶は効果的です。
糖化とは、タンパク質や脂質がブドウ糖と結合して劣化する反応のことです。
体内で糖化が起こった結果AGEという厄介な物質ができてしまい、老化を早める元凶とされていて、AGEが肌の土台にあるコラーゲンに蓄積してしまうと、肌の弾力や柔軟性が失われてしまい、肌がたるむといった老化現象が現れるようになります。
他にもAGEが体に様々な悪さをして体の内側から老化が加速してしまいます。
ですが、緑茶を接収することによって、AGEが発生する原因である糖化を防ぐことができるということが分かっています。
AGEは老化だけなく、様々な病気の引き金になってしまうので、緑茶を飲むことで糖化を抑えられるというのは大きなメリットとなります。
以上の事から、老化の二大原因である活性酸素と糖化を抑えてくれるので、緑茶は老化を防止してくれ、若返らせてくれる言えます。
2つの有効成分でパフォーマンス上昇
緑茶のすぐに感じられる効果としてパフォーマンスが上がるということがあります。
緑茶を飲むことによって集中力が高まったり、注意力が高まったり、脳のパフォーマンスが高まります。
その理由は、緑茶にはカフェインとL-テアニンが含まれているからです。
L-テアニンは、GABAの活性を高め、不安感を減らしてくれたり、脳内のアルファ波の生成を促進してくれるという働きがあります。
アルファ波は脳波の一つで心身ともにリラックスした状態の時に、でるもので、心身の健康に良い影響を及ぼすとされています。
L-テアンインンによって、アルファ波の生成が促進されるということは、L-テアニンはリラックス状態にしてくれるということです。
さらに、L-テアニンには睡眠安定作用があり、夜間に熟睡し、起床時に眠気を感じずにリフレッシュして起床できる作用も期待できるということがわかっています。
具体的にはL-テアニンは、夜の睡眠途中で目が覚めてしまう回数を減らしてくれ、交感神経の活動を抑えることで、寝つきが良くなりさらに睡眠が浅くなってしまうのを抑えてくれるため、その結果として、睡眠を安定させる作用があるということがわかっています。
カフェインとL-テアニンの相乗効果でエネルギーが安定し生産性が高まると考えられています。
L-テアニンはカフェインによる興奮を抑制することが知られていて、カフェインが入っている緑茶を飲んでもほっした感覚になるのは、L-テアニンが関係しているといわれています。
実際に研究によっても、カフェインを単体で摂取するよりも、L-テアニンとカフェインを同時に摂取した場合の方が集中力が高まるということがわかっています。
緑茶はメンタルにも良い影響を与えてくれるということがわかっています。
緑茶に含まれているカフェインとL-テアニンのコンボによって、強迫性障害などの不安関連障害の症状を、軽減できる可能性が指摘されています。
血液がサラサラ、キレイに
緑茶は血液にも非常に良い影響をもたらしてくれます。
緑茶に豊富に含まれているカテキンによって血液がサラサラになるといわれています。
また、緑茶は血液を綺麗にする上で重要な役割を果たしている果たし肝臓に良いということがわかっています。
緑茶を飲むことで、肝臓が健康になり、肝臓がんの予防効果をもたらす可能性が指摘されいます。
肝臓が健康になってくれれば、しっかりと血液浄化システムが作動するようになり、血液が綺麗になるというわけです。
緑茶の消費と肝臓がんのリスクを調査したメタ分析によると、緑茶を飲むと肝臓の健康が改善され肝臓の脂肪が減少したということがわかっています。
さらに、この研究では緑茶を飲むことと肝臓がんのリスクとの間に有意な関係が発見されました。
緑茶の1日の消費量が4カップまで増加したときに、肝臓がんのリスクが最も低下するということがわかりました。
認知症や糖尿病、ガンを予防
緑茶を飲むことによって、認知症や糖尿病、癌などの病気も遠ざけることができます。
今問題となっている認知症。日本は未曾有の高齢化社会を迎えていて、認知症患者の数がどんどん増えており、2025年には認知症の患者数は約700万人に達し、65歳以上の高齢者の約20%が認知症になると見込まれています。
そこで、緑茶を飲むという習慣が見直されています。
実際に日本で行われた研究によると日常的に緑茶を飲まない人に比べ緑茶を飲んでいる人の方が、認知症や認知症の前段階である軽度認知障害の発症リスクが低いということが明らかになっています。
緑茶を週に1~6日飲んでいる人は、まったく飲まない人に比べて認知機能低下のリスクが半分に低下したことが分かっています。
緑茶を毎日1杯以上飲んでいる人は認知症になるリスクが約1/3にまで減少したということも分かっています。
緑茶を飲んたら必ず認知症にならないとは言えませんが、確実に予防してくれる可能性はあるといえます。
緑茶は糖尿病の予防にも効果的です。
約2万人の日本人を対象とした研究では、緑茶をもっとも多く飲んでいる人は、2型糖尿病のリスクが約42%も低いということがわかっています。
その理由として、緑茶はインスリン感受性を改善して血糖値を下げるからだろとされています。
また、緑茶は、認知症や糖尿病だけでなく、特定のガンを遠ざけてくれることまでわかっています。
たとえば、乳がんです。
緑茶を最も多く飲んでいる女性は、乳がんの発症リスクが約20~30%低いことがわかりました。
さらに、前立腺がん予防にも緑茶は効果を発揮します。
緑茶を飲んでいる男性は、進行性前立腺がんのリスクが低いということが確認されています。
さらに、緑茶を飲んでいる人は、大腸がんになる確率が約42%低いということもメタ分析によって明らかになっています。
それは、緑茶に含まれている抗酸化物質のおかげであると考えられています。
活性酸素などによる酸化的なダメージによって、体の中で慢性的な炎症が起こりそれが、がんを含む慢性疾患につながるということが明らかになっています。
抗酸化物質は活性酸素によるダメージから守ってくれるため、その結果がんのリスクが低下するのではないかと考えられています。
緑茶の効果的な飲み方
緑茶は単体で飲んでも効果が絶大ですが、さらにあるものを加えることによってさらにその効果を高めることができます。
そのあるものとは、ショウガです。
緑茶にショウガを加えてショウガ緑茶として摂取すると効果倍増になります。
ショウガが健康に良いことは誰もが知るところです。
ショウガには健康に良い有効成分が400種類以上含まれていて、体を温めてくれる効果、免疫力を高めてくれる効果、血栓ができるのを抑えてくれる効果、消化を促進する効果、血中コレステロールを下げてくれる効果、脳の血流をよくすることによるうつを改善する効果、解毒促進、体内浄化効果など様々な効能がある事が知られています。
そのショウガと緑茶を組み合わせることによって、ショウガ緑茶という最強の飲み物が誕生しとんでもないメリットを享受することができるというわけです。
作り方は簡単。緑茶とすりおろしたショウガを混ぜるだけでOK。
ショウガをするのが手間な人はチューブのショウガでも代用できます。
ショウガの量は自分が飲みやすい量でOK。飲みにくいと感じるときは、ハチミツを少量くわえてもよいでしょう。
緑茶に潜むデメリットとは
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ここまで緑茶についてのメリットを紹介してきましたが、やはり緑茶にもデメリットもあります。
それは、農薬です。緑茶が健康的な飲み物であるということは、疑いようのない事実ですが、農薬の悪影響については注意しておきたいです。
あまり、過度に気にする必要もありませんが、できればペットボトルの緑茶よりも自分で入れたものを飲むことをお勧めします。
ペットボトルのお茶には農薬や酸化防止剤などの添加物の問題が潜んでいるため、自分で入れた緑茶の方が安全といえるからです。
緑茶が健康に良いからといって、コンビニでペットボトルの緑茶を買って大量に飲むというのはあまりお勧めできません。
ペットボトルの緑茶は自分で作った場合と比べてカテキンの量がかなり少ないということもわかっています。
自分で入れた場合はペットボトルの緑茶に比べ、平均約2.5倍もカテキンが多いということがわかっています。
なので、カテキンの効果を享受するためには、自分で入れるのがベストだといえます。
農薬に関してですが、日本で販売されている39個の茶葉と9個のペットボトルの緑茶を検査したところ、そのすべてからネオニコチノイド系農薬が検出されたそうです。
ネオニコチノイド系農薬とは、人体に対する悪影響が懸念され、ヨーロッパでは使用禁止の国がほとんどの農薬です。
しかし、検出されたのは残留基準値の数%にすぎなかった為、過度に心配する必要はないと、検査したグループは発表しています。
とはいえ、将来的にどんな悪影響があるかわからないので、できるならば、品質の良いものを選ぶのがよく、無農薬で育てられたお茶を自分で入れて飲むのが最適だと思います。
今ではネットで探せば無農薬のお茶が数多く売られていますので、割りと手軽に手に入れることができます。
無農薬のものが手に入りにくいときは、有機JASマーク付きのものを選ぶとよいかもしれません。
有機JASマークは厳しい基準で農薬や化学肥料を制限しているので、このマークがないものを買うよりかは、ある方を買った方が良いと思います。
でも、気にしすぎると緑茶を飲むことで得られるより多くのメリットを失い本末転倒になってしまうので、できるだけ品質の良いものを利用するということをちょっと意識しておくぐらいがよいのではないでしょうか。
まとめ
改めて緑茶による健康効果にはおどろかされました。
農薬の問題もありますが、農薬によるデメリットよりも、緑茶を飲むことによるメリットの方がはるかに大きいと考えられます。
日ごろの習慣として緑茶を取り入れていきたいですね。
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