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2022年に大きく売れ行きを伸ばした商品の一つに、炭酸ボトルがあります。
従来のマイボトルは炭酸飲料をいれるのには不向きでしたが、
炭酸水の需要が高まったのにあわせて、炭酸水を冷たいまま手軽に持ち運べるボトルもとても売れました。
こちらでは、炭酸ボトルの2大メーカーであるタイガー魔法瓶とサーモスの商品をご紹介したいとおもいます。
マイボトルで炭酸解禁
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1月に発売されたタイガー魔法瓶の「真空断熱炭酸ボトル」シリーズは、発売から3ヵ月で出荷数10万本を達成し、目標を当初の3倍に当たる30万本に上方修正し、発売半年で約16万本の出荷を記録しました。
続く3月にはサーモスも「保冷炭酸飲料ボトル」シリーズで参戦、発売から半年で、当初の販売計画の2倍となる20万本以上を出荷するヒットとなりました。
エコやSDGsなどの観点から、若年層を中心にマイボトルを持ち運ぶことが浸透しています。
しかし、従来のボトルの多くはキャップや蓋などの破損や破裂の恐れがあるという安全性の観点から、炭酸飲料を入れることが推奨されていませんでした。
「マイボトルで冷たい炭酸飲料も持ち運びたい」。
そう願っていたユーザーがタイガー魔法瓶やサーモスの商品に発売と同時に飛び付き、人気に火がついた形となりました。
3月からの半年間で約4400本を販売したロフトの担当者の話だと、「単価が高めの商品にもかかわらず売れたというのは、炭酸飲料を持ち運びたいニーズがそれだけ大きかったということ」とのことです。。
両社ともボトル内の炭酸の圧力を逃す構造を独自に開発していますが、タイガー魔法瓶は「圧力IHジャー炊飯器」、サーモスは「スーブジャー」など、自社の人気商品で培った技術を炭酸飲料対応ボトルに応用しています。
大手国内メーカー製である、”安心感”も消費者の心をつかんだようです。
炭酸飲料ブームがヒットの背景
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ヒットの背景として無視できないのが炭酸飲料ブームです。
全国清涼飲料連合会の調査によると、国内における炭酸飲料の生産量はここ数年好調に推移している。
例えばアサヒ飲料の「ウィルキンソンタンサン」シリーズは、14年間連続で売り上げ実績を更新。21年は過去最高となる年間3000万ケースを突破しました。
「新型コロナウイルス禍では健康志向の高まりやストレスによるリフレッシュニーズなどで無糖炭酸飲料の需要がさらに増加。30年には欧米のようにミネラルウォーターと同程度の飲用経験率まで伸びて市場規模も拡大すると見込んでいる」(アサヒ飲料)。
22年3月には全国的に行動制限が解除。コロナ禍で日常的な存在となった炭酸飲料を外出時にも持ち運びたいという需要にも合致した形です。
炭酸飲料対応ボトルは魔法瓶やステンレスボトルの用途やユーザー層も広げました。
例えば、タイガー魔法瓶の商品は日常使いに向く1L以下のタイブだけでなく、1.2LLや1.5Lの大容量タイプもラインアップ。
スポーツ観戦やキャンプなどのアウトドアシーンで活用する人が多く、「40代以上の男性という、新たなボトルユーザーの拡大にも成功した」(タイガー魔法瓶)。
実は、炭酸飲料対応ボトルはサーモスが2000年に既に発売していましたが、当時はヒットせず終売となった経緯があります。
それから22年。炭酸ブームの上昇気流に乗り、行動制限が解除されたこの年に見事に返り咲いた結果となりました。
まとめ
炭酸飲料がマイボトルで持ち出せるのは便利ですよね。
中には、クラフトビールのテイクアウトにも利用する人もいるとか。
マイボトルの使い道が色々と広がりそうですね。
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